Value

1.より真実に近づけているか。

現象の奥にある真相や実態、背景にある意味、表面ではなく根本にあるものにアプローチすることを善しとし、そうしたアイデアや行動、判断を追い求めよう。例えば患者の無断キャンセルが多い時、キャンセル料を高額にしてそれを防ぎたくなるかもしれない。しかしその原因が患者の怠惰ではなく心理的負荷や体調にあるのだとしたら、私たちがすべきは優しい言葉をかけ、再度予約をする気持ちになれるような心理的安全を作り出すことだろう。もちろん真実を完全に掴めるとは限らないし、一つの真実にも複数の見方があるかもしれない。それでも私たちは、隠れたより本質的な真実があるのではないかと、常に謙虚に疑い現場を知ることを忘れないようにしよう。

より確からしい真実に迫るためには、情報収集は欠かせない。例えば成功事例・失敗事例をよく調べることは車輪の再発明を防ぎ、悪い遠回りを防ぐ。最短時間で最大価値を発揮するためにも、情報を高速でかき集め、考え、実行して素早く真実に近づこう。

真実を追求するマインドは、コトだけでなく人に対しても向けよう。例えば思うように成果が出ない時、それは能力以上にコミュニケーションに問題は無いか。仲間が「大丈夫です」と言った時、それは大丈夫ではないことを意味している可能性は無いか。自分の真意は伝わっているか。言われたことではなく必要なことをやっているか・・・。

過去の経験は、未来への松明になるけれど、その光によって目が眩んでしまうこともある。だからアンラーニングも避けてはいけない。過去の経験や実績に自信がある人ほど、「当時のやり方は今も有効だろうか」「アトラスト・ヘルスのカルチャーやリソースに合ったやり方だろうか」と思い返そう。アンラーニングを含む「学び続ける」という行為は、組織の崩壊を防ぐ副次的効果もある。人手が足りないほど急速に組織が成長する時、カルチャーフィットを後回しにして採用したくなる誘惑は必ずやってくる。しかし今いるメンバーが学び続け、成長し続ければいくらか時間を稼ぐことはでき、筋肉質な組織にもなる。真実に近づくために学び続けることは、自分達を強くもする。

自分も相手も真実に近づける建設的な振る舞いをしているか、逆に意地や怠惰や虚栄心などにより真実から遠のくような振る舞いをしていないか、折に触れて省みる必要がある。そうした問いをいつも立て、真実に近づこう。

2.険しい道こそ楽しく進め。分かれ道なら上を目指せ。

私たちの目標は高い。未踏の地にも分け入らざるを得ない。そんな険しい道を進むからこそ、どうせならできるだけ楽しく進みたい。別の言い方をすれば、負荷がかかる時ほど、ユーモアを忘れないようにしたい。なぜなら高い目標に向かう途上に不安や緊張は付き物で、実際にリスクも高い。そんな時、ユーモアは弱い心を落ち着かせてくれるし、言いにくいことを言い出しやすい心理的安全の素地ともなる。見方によっては目の前の困難や失敗も、実は笑える状況かもしれず(もちろん笑えない悪夢の場合もある)、笑いは困難や失敗を前に進むエネルギーに変えてくれたりもする。

必ずしも気の利いた冗談を言う必要は無いが、プロセスを楽しむちょっとした工夫はあったほうがいい。可能な範囲で、優しさと愛のあるユーモアを装備して行こう。

その分、目標は高く持とう。目の前が分かれ道になっているのなら、よりチャレンジングな未来を目指そう。人はつい、達成しやすい目標を立ててしまいやすい。無謀か英断か、判断が難しいくらいがちょうどいいかもしれない。度を越したくらいの目標の方が、易きに逃げずに済むんじゃないだろうか。周到さは必要だけれど、大胆さはもっと重要だと思う。

より目線を高く持つということは、より遠くを見るということでもある。1週間先、1ヶ月先の目先の小さな目標だけでなく、10年先の大きな目標を見よう。遠くを見れば、そこに至るための試行錯誤も意味のあるものになりやすい。きっと、その方が楽しい。

3.受け容れる素直さと、さらけ出す素直さを。

「素直さ」は2種類ある。一つは、受け容れる素直さ。傾聴や謙虚さに近い。目指すべきは組織として顧客や社会に価値を届けることであり、自分個人が評価を得ることではない。だから相手は自分には無い視点を持っているかもしれない、自分のロジックに穴があるかもしれない、まだ気づけていない根深い問題があるかもしれないなどと常に想定し、アドバイスや忠告、相手の不満に耳を傾けよう。

失敗をしてしまった時や、自分の見立てと結果が違った時も、その事実を素直に受け容れよう。失敗を失敗として、間違いを間違いとして認めたがらない振る舞いは、本人はうまく弁解できているつもりでも確実に信頼は損なわれ、何よりチームのパフォーマンスが落ちる。反対に、望ましくない結果を素直に受け容れることは、学びを生成し、前より力強く次へ進むことを可能にする。

もう一つの「素直さ」とは、さらけ出す素直さ。自己開示の姿勢や透明性を意味する。自分を大きく見せようとすることや相手を論破してマウンティングすることは、少なくとも長期的には何の価値も無い。むしろ、自分のカッコ悪さや過去の失敗、黒歴史、知識不足や能力不足、コンプレックス、そういったものをさらけ出してしまった方が、過去の傷はいくらか成仏し、相手は自分を信頼し、いざという時に助けを求めたり素直に謝りやすくもなる。

仲間への透明性は、批判をかわそうとしたり、保身をするための秘匿の、対極にある行為と言える。特別な理由が無い限り、途中経過も含めてさらけ出してしまった方が集合知もはたらきやすい。さらけ出してしまうことのメリットをよく想像しよう。

4.できない・分からないは放置するな。

できないこと、分からないことは恥ずかしいことではない。組織としていいアウトプットが出ればよく、独力で解決できないのであれば(または時間がかかるのであれば)詳しい人に訊けばいい。最も問題なのは、できない・分からないを放置すること。プロジェクトはスローダウンし、効率は下がり、ミスコミュニケーションは生まれやすくなり、不和を助長し、そして患者が不利益を被る。はじめは個人の問題でも、それはいずれ腐ってチームの問題になる。ミカンのカビは他のミカンに伝染っていくように、どんどん影響も広がっていく。

だから自分のそれはもちろん、誰かのできない・分からないも放置してはいけない。まずは自助努力で解決すべきだけれど、お互い気にかける優しさもあったほうがいい。もし尋ねられたら、忙しくとも快く相談に乗ろう。自分の守備範囲外の困りごとでも、力になれそうであれば手を貸そう。

役割分担は組織の効率を高めるし、自分の職務は全うしなければならない。けれど、自分自身や自分たちのことだけを見ていると、誰かのできない・分からないに気づけず、取れるはずのフライボールを取りこぼすことになる。別のチーム、職務上の関わりが薄いチームの仲間ともお互い見知った存在になることは、それを防ぐ第一歩。互いを知り、気にかけ、頼り、できない・分からないを解消しよう。

5.道を創る覚悟と責任を。

私たちは、業界のフロンティアに立っている。その宿命として期待の目と同時に、懐疑や冷笑の目も向けられている。だから慢心でも誇張でもなく、私たちが息絶えれば業界が後退する。不祥事を起こせば業界の信頼が失墜する。私たちは道を創る覚悟を持つと同時に、責任を果たさねばならない。

大局を見るのもその実践方法の一つ。「不可能」「売れない」と言われた日本語変換ワープロを開発した東芝の技術者は、これで産業を創るんだと幹部を説得し、日本の救急救命医療の礎を築いた阪大附属病院チームは、ERを根付かせるべく救急医学という学問分野を自ら創った。今と未来を意味づけ(ストーリーテリングし)、大きな流れをハックする。道を創ってきた先人たちは、そうやって失敗や挫折や逆境を乗り越えてきた。

大局を描き、不確かな未来に分け入っていく時も、データは武器になる。バイアスを生む諸刃の剣であることにも注意しながら、データの声を聞き、データを味方に付けよう。

誠実であろうとすること、軽率さを避けることも欠かせない。精神医療の患者にとってオンライン診療は「最後の砦」となりうるもの。だからこちらのちょっとした雑さが、大きな不誠実を意味するかもしれない。目の前の患者に対して、業界や社会に対して、誠実だろうか。嘘をついたり欺いていないだろうか。正しいことをしているだろうか。いつもそう顧みよう。またSNSや公共の場での不用意な発言が致命傷をもたらす場合もある。軽率な言動も慎もう。

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テクノロジーによって精神医療を拡張・再編し、広く人類が自らの生を肯定できる世界を創ることを目指しています。

創業者・代表取締役 バローチ ニール

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アトラスト・ヘルスが取り組む課題は、
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