Mission医療業界へのコミット

“心を照らす医療”を拡張する。

私たちは精神医療やメンタルヘルスケアを、患者利益の側面から見て「心を照らす医療」と呼んでいます。そう再定義することで、誰のために、何を為すべきかが考えやすくなるからです。
この「心を照らす医療」は現代の人々にとって益々重要な医療となっている一方、患者にとっては長らく物理的・経済的・認知的・心理的ハードルの高い存在でした。
私たちはこれをITベースで再設計することで、「心を照らす医療」のアクセシビリティを劇的に上げることはもとより、そのポテンシャルを最大限発揮させ医療体験を拡張することを企図しています。

オンライン化によってできること・見えるものが増える

診療をオンライン化することによって、どこに住んでいても受診することができるようになり、それは移動の経済的コストを下げることを意味します。物理的な距離に関わらず自分に合う医師を選べることは、医療体験の質の向上や、結果的に中長期のコストも下げます。移動時間や待ち時間も激減し、人に見られる心配も無くなります。「受診した方がいいことは分かっているが、休むと職場に迷惑がかかる」「待合室の人目が恥ずかしくて行けない」といった心理的なハードルも解消することができます。

また、オンライン診療は身体診察や検査ができないことから対面診療と比べて取得できる情報が減ると言われていますが、逆に、生活空間の様子が見えたり、家族同席の場合客観的な情報が得られたり、喫煙など診察室ではしない普段の習慣、横になりたいほどのつらさかどうかなどが分かることも多々あり、診療外の行動も確認することができます。患者をより深く知ることは質の良い医療体験を提供する第一歩であるため、このように見えるものが増えることは大きなメリットです。

こうした、今まで届けられなかった価値を届けるために、オンライン診療という選択肢が増えることは大きな意義があると考えています。加えて、「精神科にかかるのは敗者の烙印が押されるようでつらい」「自分の今の状況と精神科医療は関係ないと思っていた」といった精神医療そのものについての認知バイアスや情報不足など、オンライン化とは別次元の課題もあり、これもサービス設計やコミュニケーションの創意工夫などによって解決していきます。

ネットワーク化によって既存の医療リソースを
フル活用する

私たちは、全国の医師をアトラスト・ヘルスのネットワークに組み込むことはもとより、全国の大きな医療機関などとも連携していきます。
それは、血液検査や精密検査など現時点のオンライン診療ではできないことをカバーするというマイナスをゼロにする側面に加え、状況によってはオフラインの方が便利というケースに対応したり、より安心できるといった患者の心理に対応するなど、医療体験におけるプラスを大きくする意味でも合理的だと考えているからです。
目的は、「心を照らす医療」を真の意味で人々のそばにあるものにすること。快適なものにすること。そのために活かせる既存の医療リソースはフル活用し、必要なエコシステムを構築しようというのが、私たちのスタンスです。

「医療」の周辺もスコープとすることで、
得られる価値を拡張する

患者にとっての医療体験をベストなものにするためには、既存の「医療」の枠組みの周辺にあるものを、必要に応じて医療とシームレスに接続させることも必要だと考えています。そもそも精神疾患は、精神機能の障害によって日常生活・社会生活に支障が出ている状態のことを指すため、精神医療が普段の生活に関するヘルスケアリソースと連携することは、むしろ必然的なこととも言えます。

提供価値の最適化のために、私たちは問いを立て続けます。効果的かつ心に負担をかけない選択肢は他にも無いか。無数にある選択肢の中からスムーズに選べるようにするサポートはできないか。医学的な合理性を過度に振りかざさず、一人一人違う患者の価値観に沿った解決策は用意できないか。解消すべき情報の非対称性や、医療業界が関心を持たなかった思わぬボトルネックは存在していないか。
そうした問いと向き合っていくことで、「心を照らす医療」が本来届けられるはずの価値を届け、また「心を照らす医療」自体の拡張にも貢献してきます。